PMOのイメージは人それぞれ

「PMOって何ですか?」

先週、たまたま同じ質問を2回いただきました。A社の事業部長、B社の業務課長と、それぞれ別の現場からの質問です。

振り返ってみると、今までで一番多く受けた質問かもしれません。

プロジェクトで使う用語なので、プロジェクトの関係者でない限り、知らないのが当たり前です。

それぞれ情シスメンバーが「PMOとは」に回答したのですが、その回答もバリエーションに富んでいます。どれも正解なのですが、PMOの役割は多岐にわたるので、個人の思い入れの強い部分が言葉に現れるのでしょう。

PMOの役割について、今一度整理したいと思います。

PMOは2軸で考える

PMOは「Project Management Office」の略、直訳すると「プロジェクトを管理する事務局」となります。

このPMOの役割は何でしょうか?

プロジェクトには、必ず「目的」があり、それを達成するための「計画」があります。

プロジェクトは、基本的に今までやったことのない事をやろうとするので、困難の連続です。なかなか「計画」通りに進みません。

プロジェクトを「計画」通りに進めるための存在、それがPMOです。PMOは、プロジェクトの「目的」を達成させるためのあらゆる活動が求められます。

<役割1:プロジェクト管理>

  • プロジェクト計画、WBS/タスク計画
  • 進捗管理、見える化
  • リスク/課題管理/li>
  • コスト/予算管理
  • 品質/仕様変更/障害管理

<役割2:プロジェクト推進>

  • 会議設計、ファシリテーション
  • 社内調整、課題解決フォロー
  • ベンダー調整、交渉

(厳密にいえば、標準化、環境・ツール整備など他にもありますが、説明をシンプルにしたいので省略します。)

ポイントは、「管理」と「推進」の2軸で考える、ということです。

PMOは、「管理」だけをやると間違いなく嫌われます。典型的なのは、進捗を聞いて「お尻をたたく」だけの人。報告するだけ損をするので、PMOに情報が集まらなくなります。

つまり、PMOがうまく機能していない現場の共通点は、「管理」しかしていないということです。

一方で、プロジェクトの「推進」とは、問題のあるタスクや課題に首を突っ込み、関係者に根回しを行い、必要な手を打っていくこと。傍観者ではなく当事者として、現場に入り込み、非常に泥臭くタフな調整が求められます。

この「推進」の積み重ねが、PMOに信頼を生み、情報を呼び寄せ、効果的な「管理」ができるようになっていきます。

PMOは情シス/IT部門の必須スキル

「プロジェクトの4分の3は失敗する」と言われています。

成功の4分の1に入れるかどうか、それはPMOの存在にかかっています。

PMOが機能すれば、プロジェクトは必ず成功します。

PMOのコアスキル「管理」と「推進」はどのプロジェクトにも求められます。どんな「業種」、どんな「テクノロジー」にも対応できるということです。

つまり、情報システム部門/IT部門には、PMOは必須の役割といえます。PMOができれば、あらゆる部門から声が掛かります。

会社が飛躍的に発展していくためには、挑戦的なプロジェクトを立ち上げ、情シスがPMOとして会社の「ロケットエンジン」になること。

弊社では、そのようなPMOを全力でご支援しています。

「PMOって何ですか?」

御社では、どう答えますか?