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公開日 : 2020年3月27日
テーマ : コラム 情シスコンサルタントの提言
第35話:パッケージ選定は必ずRFIを出して一発勝負を避ける

● パッケージの多すぎる選択肢
「在庫管理機能を持った販売管理パッケージは何社あるでしょうか?」
 
先月行ったセミナーの参加者にクイズを出しました。
 
「10社」「20社」「30社」「50社以上」と選択肢を出しましたが、全体の3分の1が正解します。
 
答えは「50社以上」です。
 
「さらにこの中で、印税管理など出版社向けに特化したものは何社あるでしょうか?」
 
こちらは、ほとんど正解者はいませんでした。答えは「10社以上」です。
 
どのような業界であっても、基幹システムのパッケージは無数にあります。探せば探すほど、たくさん出てきます。
 
ユーザー企業にとって、選択肢が多いことはメリットです。
 
問題は「数が多すぎる」ことです。
 
この中から、どう選んでいけば良いのでしょうか?
 
 
● RFIでリスクを抑える
パッケージシステムの選定において、一番のリスクは「選定ミス」です。
 
これは本当に取り返しがつきません。ミスしたらどうなるのでしょうか?
 
業務に合わないパッケージは、現場を苦しめます。システムの都合で余計な手間が増えます。機能不足なので、エクセルなどシステム外での手作業も増えてしまいます。
 
システムのせいで、業務フローが複雑になり、属人化の温床になります。
 
また、パッケージのカスタマイズが大幅に増えます。カスタマイズ費用が一気に膨らみます。パッケージ本体の2倍~3倍は普通にかかります。
 
スケジュールも、通常納期が6か月とした場合、2年に伸びることもあります。
 
保守性も悪くなります。年間を通して、ベンダーの保守要員も必要で、システムを維持するための費用が垂れ流しで出ていきます。まるで、大規模なスクラッチ開発のようです。
 
つまり「選定ミス」は、会社の基幹業務が不安定になり、非効率になり、人件費とシステム費用で、大幅なコストがかかるということです。
 
パッケージは「選定」が全てです。
 
自社の業務に最もフィットすることが重要です。
 
では、どうやって、フィットするパッケージを探していけばいいのでしょうか?
 
 
『RFI』をうまく使うことです。
 
 
RFIとは、Request For Informationの略で、「情報提供依頼書」と訳されます。
 
初動調査でRFIを用いて、パッケージの基本情報を確認していきます。「自社の業務」と「パッケージの標準機能」をマッピングし、フィットするかを確認するのです。
 
「RFP(提案依頼書)で提案をもらえば良いのでは?」と思うかもしれません。
 
でも当社からすれば「RFPの一発勝負でいいんですか?」と逆に聞き返します。
 
選定が重要だからこそ、慎重に、確実に、候補を絞り込んでいく必要があります。その具体的なステップが、「RFIの一次選考」⇒「RFPの最終選考」となります。
 
RFPは通常、3社ぐらいに発行し、最終選考します。そこは問題ないのですが、
 
「RFPを発行した3社が正しいのか?」
 
に納得のいく説明ができないことが問題です。まずは、一次選考をしっかりと行うことが重要となります。
 
RFIは、細かく網羅的に聞くのではなく、パッケージのパンフレット情報をもらうイメージです。広く浅く情報収集するため、質問項目を少なくして、ベンダーの負担を減らし、素早く回答を得るのがポイントとなります。
 
このRFIで、最も重要な確認は何でしょうか?
 
それは、パッケージの「標準機能」の確認です。
 
パッケージの機能が大きく欠落していたら、そもそも話にならないからです。例えば、「印税管理」をやりたいのに、それをもっていないベンダーにRFPを投げても、お互い膨大な時間を無駄にするだけです。
 
まずは、RFIでざっくりと「要求機能」を列挙して、ベンダーに○×を記入してもらいます。
 
RFIでは、減点方式を採ります。
 
主要機能がなければ、減点していきます。そして、減点が少ないベンダーだけを残します。もし、自社として外せない機能が無かったら「一発アウト」にします。
 
つまり、RFIで「足切り」をしていくのです。
 
「このパッケージは可能性がないな」というベンダーを外していく作業です。
 
RFIは10社ほど発行し、そこからRFPの3社ほどに絞り込みます。
 
 
● 「RFIからの~RFP」を確立する
スクラッチ開発が主流の時代は、RFPだけで問題ありませんでした。「価格」と「魅力的なシステム提案」さえ確認できれば良かったからです。1つのレースで「一発勝負」で良かったのです。
 
一方で、パッケージシステムは違います。何よりも先に「自社業務との適合」が重要となります。
 
そこを慎重に確認しないまま、RFPを3社に絞るのは「博打」と一緒です。
 
経営層にどう説明すればよいのでしょうか。
 
選定ミスの被害は計り知れません。その責任を誰がとれるというのでしょうか。
 
IT部門/情報システム部門の役目は、この「選定」の流れを確立し、運営することです。
 
貴社のIT部門は、RFIでしっかりと「ふるい」にかけていますでしょうか?
 
 
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<関連コラム>
第34話:パッケージの自由度のなさは本当にデメリットなのか?
 
第33話:なぜそのRFPはベンダー見積もりが10億円を超えてしまうのか?
 
第29話:立派すぎるRFPが失敗する本当の原因とは?
 
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情シスコンサルタント 田村昇平
IT部門の育成・強化を専門とするコンサルタント。ITプロジェクトの企画から導入・保守までの全工程に精通し、そのノウハウを著書「システム発注から導入までを成功させる90の鉄則」(技術評論社)で公開している。

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