システム導入を発注側から支援する株式会社インフィニットコンサルティング

COLUMN | コラム詳細

公開日 : 2019年3月12日
テーマ : 情シスコンサルタントの提言
第21話:RFPなど上流工程におけるIT部門/情シスの「受領資料を読まない病」を克服する

●上流工程における典型的なパターン
「先週、ユーザーから受領した資料は確認しましたか?」
 
「すみません、忙しくて全く見ていません…」
「資料が多すぎて、とても時間がとれません…」
 
先日、RFP作成のための「要求検討会議」に参加しました。
 
ユーザー部門が情シスに向けて、熱心に説明します。
横で聞いていた田村は、いろいろ質問したくてウズウズします。
 
ところが、聞く側の情シス担当者は、全く発言がなく、おとなしくしています。
 
田村が情シスに質問を促したところ
「話についていくのに精一杯です」
と返されました。
 
会議後、情シス担当者に聞いてみると、冒頭の「予想通り」の回答です。
 
実は、弊社がお手伝いするIT部門/情シスのほとんどが、最初はこのようにユーザーからの受領資料を読んでいません。
 
たかが受領資料の確認ですが、どのような影響があるのでしょうか?
 
 
●受領資料を読まないから受け身になる
RFP作成など、プロジェクトの初期においては、様々な資料を受領します。
 

  • ユーザーマニュアル、業務説明資料
  • 現行システム設計書、帳票設計書
  • 実帳票サンプル、各種管理台帳
  • お客様とのやりとり、社内のやりとりの記録
  • その他参考資料、ベンダー資料等
  •  
    これら資料を受領する前に、大抵はこのような会話があります。
     
    情シス 「業務が分かる資料を何でもいいので送ってください」
    ユーザー「すごい数ありますが、どれが必要ですか?」
    情シス 「とりあえず全部送ってください!」
     
    その結果、まじめなユーザーほど、多くの資料を連携してきます。
     
    情シスは、あまりに膨大な資料をさばききれず、読まなくなってしまいます。
     
    その根本原因は、どこにあるのでしょうか?
     
    情シスは、いろいろなタスクを抱えていて、忙殺されています。その膨大なタスクをさばくために、担当者は日々、優先順位をつけています。
     
    つまり、時間が取れないと言っている人は、「業務理解タスク」の優先順位を下げているのです。
     
    それは、「業務理解を軽視している」とも言えます。
     
    ユーザーは当然、読んでくれた前提で話しますが、情シスは話についていけません。資料を読んでいない「後ろめたさ」から、ユーザーに気後れし、受け身になっていきます。いつしか、対等な関係性が崩れ、下請けの関係性になっていくのです。
     
    ちなみに、この構図はベンダーも同じです。ベンダーも業務資料を読み込まないことが多く、必然的にユーザーからの「要件待ち」という受け身姿勢になります。
     
     
    ●受領資料から積極性を出していく
    IT部門/情シスは「業務資料の読み込み」の優先順位を上げることです。
     
    古い資料になるほど、永遠に読まなくなります。
     
    業務資料の未読は溜め込まず、「3日以内に読み込む」など自身でルールを決めること。また、大量の未読は心理的なハードルが高くなるので、こまめに処理すること、をオススメします。
     
    RFPのような上流工程は、情報整理が全てです。そこで「情報とどう接するか」で、情シスがプロジェクトの主導権を握れるかどうかが決まります。
     
    ただし、言うは易く行うは難し。本当に大変です。だからこそ、IT部門/情シスの本気度が問われています。
     
    貴社のIT部門/情シスは、業務資料の「未読分」が大量に残っていませんでしょうか?
     
     
    *************
     
    ⇒ 【プロジェクトマネジメント支援サービス】のご案内はこちら

    ★コラム更新情報をメールでお知らせします。ぜひこちらからご登録ください。
    情シスコンサルタント 田村昇平
    IT部門の育成・強化を専門とするコンサルタント。ITプロジェクトの企画から導入・保守までの全工程に精通し、そのノウハウを著書「システム発注から導入までを成功させる90の鉄則」(技術評論社)で公開している。

    page top