システム導入を発注側から支援する株式会社インフィニットコンサルティング

COLUMN | コラム詳細

公開日 : 2018年12月5日
テーマ : 情シスコンサルタントの提言
第17話:IT部門/情シスPMOと議事録とプロジェクト掌握

● PMOに仕事を渡さない業務部門
「進捗管理と課題管理、PMOでやりますよ」
「ありがとうございます、でも大丈夫です」
「では、ファシリテーションやりますよ」
「いや、大丈夫です」
 
情シスPMOのAさんは、張り切ってプロジェクトの役割を引き受けようとします。ところが、業務部門のプロジェクトマネージャーBさんはやんわり拒否しました。
 
業務主管のプロジェクトでは、「外様」の情シスPMOが弾かれてしまうことは珍しくありません。特にデキる業務メンバーは「自分たちだけでプロジェクトを回せるのに、なぜ情シスが入るのか」と不満に思うものです。
 
外様の情シスにプロジェクト主導権を握られたくないので、ファシリテーションや進捗管理で仕切られるのを嫌います。
 
しかも表向きは紳士的に振舞われ、問題が表面化しないため、解決が難しくなります。
 
このように業務部門の警戒をくぐり抜け、情シスPMOがプロジェクトの主導権を握るにはどうすればよいのでしょうか?
 
 
● 雑用係の一石二鳥
業務部門の警戒が強い場合、いきなり「ファシリテーション」や「進捗管理」などの中心的な役割を担おうとしても拒否されます。
 
その場合、こう提案してみてはいかがでしょうか。
 
「議事録係をやらせてください」
 
議事録は「雑用係」のイメージが強いため、そこまで抵抗感はないようです。大抵の場合、OKをもらえます。
 
しかし、情シスメンバーは議事録を積極的に担うことはありません。それはなぜでしょうか?
 
業務が分からないからです。
 
知らない単語が飛び交い、話の流れについていけないため、議事録の大半が書けないのです。そのため、議事録から逃げてしまいます。
 
田村は、議事録こそPMOの原点だと考えます。以下のようなメリットがあるからです。
 

  • 業務を覚える
  • 業務メンバーと関係性を構築できる
  •  
    田村は、新しい現場で初日から議事録をとることは珍しくありません。むしろ初日だからこそ、引き受けます。
     
    本当に「笑ってしまう」ぐらい、会話についていけません。知らない単語ばかりのため、メモはカタカナだらけです。でも、それで良いのです。
     
    その不完全な議事録を携え、関係者に個別質問して回ります。こちらの真摯な姿勢が伝われば、ほとんど親身に教えてもらえます。
     
    教えてもらうことで、その業務内容に詳しくなります。その人との距離も一気に縮まります。まさに一石二鳥です。
     
    初日からこれほど業務に入り込めるツールは、他に浮かびません。
     
    議事録係のレベルが上がると、会議中にモニターに映して、その場で書いていきます。
     
    「田村さん、これ議事録に書いておいて」
    「そこ間違っているよ、書き直して」
     
    といつの間にか、議事録係が中心となり、会議が進行されていきます。
     
    その場で議事録が完成するため、負担も少なくなります。
     
     
    ● 議事録はPMOの原点
    業務部門に警戒されているなら、議事録を起点に入り込むことが非常に有効です。
     
    そこで信頼の足場を固めていけば、ファシリテーションや進捗管理など次のステップに入りやすくなります。
     
    議事録の捉え方ひとつで、情シスにとって「武器」になるか「負担」になるか、大きく変わってくるということです。
     
    貴社の情シスメンバーは、議事録を積極的に担当していますでしょうか?
     
     
    *************
     
    ⇒ IT部門/情シスの育成・強化支援のご案内はこちら

    ★コラム更新情報をメールでお知らせします。ぜひこちらからご登録ください。
    情シスコンサルタント 田村昇平
    IT部門の育成・強化を専門とするコンサルタント。ITプロジェクトの企画から導入・保守までの全工程に精通し、そのノウハウを著書「システム発注から導入までを成功させる90の鉄則」(技術評論社)で公開している。

    page top